表彰事業
2017年(平成29年)電気設備学会賞受賞者
第18回 会長賞受賞者の功績概要
古屋 一彦氏
- 所属
- 株式会社 和田電業社
- 功績概要
- 古屋 一彦氏は、1971(昭和46)年に明治大学工学部電気工学科を卒業し、関東電気工事株式会社(現、株式会社関電工)に入社され、設計・技術開発部署に配属され電気設備の基礎技術を修得、その後、現場担当者としての経験を積み、1987(昭和62)年から本社内線管理部に配属された。それ以降、技術担当として現場で日々発生するさまざまな技術的問題の解決に粉骨砕身した。同氏の姿勢は理論を机上で終わらせるのではなく、生きた学問にすべく、常に現場に足を運び事象解明を追求した。この現場経験は大変貴重なもので、1993(平成5)年に施行された「高調波抑制対策技術指針」に活かされ、のちの高調波に関するJISの改正にも大いに役立った。
さらに、同氏は技術開発部長、シニアフェローなどの社内要職を歴任し、技術開発部門を牽引するとともに、学識経験者やメーカー技術者とも交流を重ね自らも多くの技術開発を行った。同氏の技術開発の成果は、電気設備工事に関連する工具・資材、照明器具や変圧器などの電気機器、工法など多岐にわたり、その成果は、電気学会や電気設備学会全国大会での継続的な発表、論文投稿につながるとともに、4件の澁澤賞(発明・工夫)や電設工業展製品コンクールでの経済産業大臣賞受賞、数多くの特許取得として評価されている。
同氏のこの現場を起点とした貴重な経験は、社内に留まることなく、広く電気工事業界の発展にも貢献しており、本学会や電気学会、日本技術士会、日本電気協会、日本電設工業協会などでの多くの社外委員会活動の成果につながっている。主な活動としては「低圧配電系統の高調波抑制対策検討委員会」、「IEC/TC81(雷保護システム)国内委員会」、「電気学会産業応用部門 生産設備管理技術委員会」などである。
第6回 学会功績賞者の功績概要
澤田 章氏
- 所属
- 元大成建設株式会社
- 会員期間
- 14年
- 功績概要
- 澤田 章氏は、2006(平成18)年~2011(平成23)年まで学会本部理事として学会運営に尽力され、その間、経理部会副部会長、経理部会長などを歴任、本学会の事業運営を積極的に推進し、学会活動の活性化、発展充実に多大な貢献をされた。
また、経理部会副部会長の在任中には、「新公益法人会計基準」導入の検討を行い、「財務諸表」の作成に関して中心的な役割を果たされた。
引き続き経理部会長に就任され、公益法人制度改革に基づく「一般社団法人」への移行検討を中心的な立場で推進されるとともに、当学会の財政基盤整備の推進に尽力された。特に、学会財政の見える化として「キャッシュフローの基本的考え方」を検討・導入し、成果は学会運営に多大な貢献をされた。
庄子 貞雄氏
- 所属
- 元株式会社ユアテック
- 会員期間
- 26年
- 功績概要
- 庄子 貞雄氏は、1995(平成7)~2009(平成21)年まで東北支部理事として、2009(平成21)~2016(平成28)年まで東北支部副支部長として、2000(平成12)~2003(平成15)年まで本部理事として、2003(平成15)~2013(平成25)年まで評議員を務められ学会運営に尽力された。
なかでも1994(平成6)年6月に「東北支部設立準備懇談会」を創設し、実務推進役の中心メンバーとして支部設立に向け活動した結果、1995(平成7)年、東北支部が設立された成果は特筆される。
また、支部理事在任中には「第16回及び第23回全国大会」、「東北地方の自然エネルギー調査検討委員会」及び「東北地方の融雪関連技術に関する調査検討委員会」等の実行委員に就任されるなど、支部の活性化、発展・充実に多大な貢献をされた。
蒔田 鐵夫氏
- 所属
- 日本大学
- 会員期間
- 37年
- 功績概要
- 蒔田 鐵夫氏は、1999(平成11)~2011(平成23)年まで評議員として、2011(平成23)~2017(平成29)年まで本部理事として学会運営に尽力され、その間、学会副会長、出版部会長などの学会要職を歴任、本学会の事業運営を積極的に推進し、学会活動の活性化、発展充実に多大な貢献をされた。
会誌編集委員会委員に引き続き、2011(平成23)年7月から2015(平成27)年6月までは委員長として「電気設備学会誌(特集記事)」の企画・構成に尽力され、電気設備の必要性・重要性を学会誌に掲載するなど、電気設備学会誌の誌面の充実に寄与された。さらに、2014(平成26)年8月より会員サービスの一環として「科学技術振興機構(J-STAGE)」の仕組みを活用した「学会誌閲覧サービス」の構築・検討に尽力された。
また、同氏が果たされた学会活動は、会員サービスの向上並びに本学会の発展・充実に大きく寄与し、その学術研究活動は、電気設備に関する学術研究の進展に大きく寄与するとともに、数多くの技術者、研究者の育成に多大な貢献をされた。
第29回 部門別学会賞受賞者一覧
学術部門
- 論文賞
- 栗栖 慎也(広島工業大学)、永田 武(広島工業大学)
受賞対象:論文「分散電源の力率制御による配電系統の電圧制御マルチエージェントシステム」 - 論文奨励賞
- 武田 隆(愛知工業大学)、湯淺 一史(株式会社NTTファシリティーズ)、後川 知仁(株式会社NTTファシリティーズ)、則竹 政俊(株式会社NTTファシリティーズ)、廣瀬 圭一(株式会社NTTファシリティーズ)、雪田 和人(愛知工業大学)
受賞対象:論文「太陽光発電を有する需要家間における直流電力融通に関する一検討」 - 学術奨励賞
- 飴井 賢治(富山大学)、大路 貴久(富山大学)、作井 正昭(富山大学)
受賞対象:研究速報「三相倍電圧整流回路を用いた制御回路レス風力発電装置の高効率化」 - 資料・総説賞
- 柳川 俊一(株式会社昭電)
受賞対象:学会誌特集「電気設備の落雷による被害紹介と対策手法について」 - 資料・総説奨励賞
- 城条 雅之(株式会社東芝)
受賞対象:学会誌特集「受変電設備保護継電システムとICT活用」 - 著作賞
- 対象なし
- 調査研究賞
- 対象なし
技術部門
- 施設賞
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業績の対象 YKK80ビルの電気設備 受賞者 (建築主) YKK不動産株式会社 (計画・設計・監理) 株式会社日建設計 (施工(建築)) 鹿島建設株式会社 (施工(電気設備)) 株式会社きんでん - 施設奨励賞
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業績の対象 オアーゼ芝浦の電気設備 受賞者 (設計・監理・施工) 清水建設株式会社 (施工(電気設備)) 株式会社サンテック - 施設奨励賞
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業績の対象 市立吹田サッカースタジアムの電気設備 受賞者 (コンストラクションマネージメント) 株式会社安井建築設計事務所 (設計・施工・監理) 株式会社竹中工務店 (電気施工) 株式会社きんでん - 施設奨励賞
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業績の対象 京橋MIDビルの電気設備 受賞者 (設計・施工) 大成建設株式会社 (施工(電気)) 株式会社協和エクシオ - 開発賞
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業績の対象 NITE大阪事業所の大型蓄電池試験設備 受賞者 (設計・施工(総合)) 鹿島建設株式会社 (施工(電気設備)) 株式会社きんでん、住友電設株式会社 (製作(リチウムイオン電池設備)) 株式会社明電舎、富士電機株式会社 - 開発奨励賞
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業績の対象 変圧器耐震装置[キュービクル型]既設タイプの開発 受賞者 (共同開発)株式会社関電工
技術振興部門
- 振興賞
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業績の対象 竹中工務店東関東支店改修の電気設備 受賞者 (設計・監理・総合施工) 株式会社竹中工務店 (施工(電気)) 株式会社TAKイーヴァック - 振興賞
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業績の対象 湯山地熱発電所の電気設備 受賞者 (設計・施工)八千代電設工業株式会社 - 振興賞
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業績の対象 エネフィス九州の電気設備 受賞者 (基本・実施設計・施工) ダイダン株式会社 (基本・実施設計・監理) 株式会社NTTファシリティーズ