表彰事業
2018年(平成30年)電気設備学会賞受賞者
第19回 会長賞受賞者の功績概要
松村 年郎氏
- 所属
- 愛知工業大学
- 功績概要
- 松村 年郎氏は,1979(昭和54)年3月に名古屋大学大学院工学研究科博士課程後期課程を修了された後,同年4月同大学助手,1995(平成7)年4月同大学教授に就任され,2017(平成29)年3月に定年退職された後,同年4月に愛知工業大学教授に転任され,現在に至っている。氏は,電気設備の安全・安心運用技術に関わる研究に従事されており,主として,大電流制御・遮断,次世代の機器・診断技術,交流・直流給配電システムの特性解明と運用に関して,優れた研究成果を上げられている。研究成果は,電気設備学会誌への論文投稿や電気設備学会全国大会での発表などにより継続的な情報発信に努められている。また,上記大学において後進の指導にあたり,電気設備に関する機器・システムの開発・設計・運営を担う数多くの技術者や研究者を育成された。電気設備学会においては,2002(平成14)年から中部支部役員として中部支部の運営に参画され,2012(平成24)年(第30回)電気設備学会全国大会(名古屋大会)の会場担当委員として大会運営にあたり,大会の成功に貢献された。2014(平成26)年5月に中部支部の支部長に就任された後は,支部の発展・充実に尽力された。特筆すべき点は,中部支部内での研究活動である自主調査研究および委託調査研究活動の推進であり,特に,委託調査研究では氏自らが委員長となって学識経験者や企業関係者と積極的に研究を推進され,数々の研究成果を挙げられている。また,支部独自の活動である「電気設備技術フォーラム21」の代表として,国際化・規制緩和・環境などに関する最新の情報収集や検討に貢献されている。さらに氏は,広く電気設備業界の発展にも寄与されており,電気学会では,副会長(編修)や支部担当理事(東海支部長)などの要職を歴任,また,開閉保護標準化委員会委員長や(一社)日本電機工業会 日本短絡試験委員会委員長として,電力用遮断器の規格改定や大電力試験技術の確立などを主導された。また,(一社)電気協同研究会の専門委員会委員長を務め,電気設備の電力品質向上に資する調査結果を取りまとめられている。これらの活動は,2018(平成30)年度の第63回澁澤賞の受賞や,3度の電気学会振興賞論文賞受賞,電気学会上級会員認定として非常に高い評価を受けられている。
第7回 学会功績賞者の功績概要
大貫 悟氏
- 所属
- 大貫技術士事務所(元(株)日本設計)
- 会員期間
- 38年
- 功績概要
- 大貫 悟氏は、1985(昭和60)年、本学会設立当時からの正会員であり、2001(平成13)年には理事に就任され、総務部会、技術部会の部会を担当、ことに、技術部会においては、部会長として学会の会務活動に尽力された。
同時に学会内の多くの委員会活動に積極的に参加され、超高層ビルにおけるサブ変電室のスプリンクラ消火を可能にするなどの消防法改正や、1992(平成4)年電気設備学会技術賞を受賞したICカードを利用したインテリジェントビルシステムの構築など調査研究活動を実施した。
特に学会委員会においては、多くの委員会で主査をつとめ、委員会意見のとりまとめ、電気設備学会としての報告書を作成した。同報告書の多くは電気設備技術基準の解釈や内線規程などに活用されている。
理事退任後も多くの委員会で主導的役割を果たすなど、学会運営に多大な貢献をされた。
櫻野 仁志氏
- 所属
- 石川工業高等専門学校
- 会員期間
- 24年
- 功績概要
- 櫻野 仁志氏は、1994(平成6)年に入会され北陸支部設立(1997年)当初から支部理事として2014(平成26)年まで務められ、その間2002(平成14)年~2004(平成16)年には北陸支部長を務められ支部運営に尽力された。また、2002(平成14)年~2015(平成27)年には中部支部との合同研究で「雷」をテーマした調査研究委員会に参画され、2年毎に報告会として支部の技術講習会を開催、講師として当支部の事業運営を積極的に推進し、学会活動の活性化、発展充実に多大な貢献をされた。特に、雷保護技術の普及及び雷保護対策の推進に尽力されたことは特筆する。さらに、学会論文投稿、全国大会論文発表及び座長等を経験され同氏が果たされた学会活動は、会員サービスの向上並びに当学会の発展・充実に大きく寄与するとともに、数多くの電気設備技術者の育成等にも多大な貢献をされた。
中島 廣一氏
- 所属
- 元(株)東芝ソシアルファシリティーズ
- 会員期間
- 25年
- 功績概要
- 中島 廣一氏は、1990(平成2)年に入会され2000(平成12)年6月より経理部会の副部会長を7年、技術部会の副部会長を3年務められた。その後、経理部会長を2年、技術部会長を6年務められた。経理部会在任中は、経理・会計に関する公益法人会計制度に取り組まれ、特にキャッシュフロー会計の見える化に尽力された。技術部会在任中は、自主研究及び委託研究の調査研究委員会の設置・運営に関する事項に関して積極的に取り組まれ、特に委託研究の収支管理に尽力された。外部委員会活動としては、電気設備学会として建築設備六団体協議会に参加し、建築設備士の普及・促進に尽力され、更に各関係団体との情報共有に努めており、学会活動の活性化、発展充実に多大な貢献をされた。専務理事在任中には、学会の果たすべき内容を取り纏めた「電気設備学会ビジョン」の策定に関して、グランドデザインを踏まえたアクションプランの取りまとめに尽力された。また(国研)科学技術振興機構がサービス提供しているJ-STAGEの仕組みを活用した「学会誌閲覧システム」の構築に尽力されたことは、会員サービスの向上に大きく寄与するとともに、多くの電気設備技術者の育成等に多大な貢献をされた。
第30回 部門別学会賞受賞者一覧
学術部門
※所属は学会誌掲載当時のものである。
- 論文賞
- 藤田 悠(株式会社トーエネック),小林 浩(株式会社トーエネック),青木 睦(名古屋工業大学)
受賞対象:論文「制御方式を簡素化した自動力率調整装置の開発と評価」 - 論文奨励賞
- 吉田 義昭(広島工業大学)
受賞対象:論文「電圧不平衡下における誘導電動機用3Eリレーの欠相動作解析」 - 論文奨励賞
- 水野 裕貴(東京電機大学),宮下 收(東京電機大学)
受賞対象:論文「電圧センサレス・インタリーブ方式による倍電圧整流器の高力率化制御」 - 学術奨励賞
- 大島 正稔(河村電器産業株式会社)
受賞対象:研究速報「住宅基礎の鉄筋を利用した接地システムの寒冷地におけるD種接地適合の検討」 - 資料・総説賞
- 津田 理(東北大学大学院)
受賞対象:学会誌特集「非常用電源機能を有する再生可能エネルギー出力変動補償用電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」 - 資料・総説奨励賞
- 立川 敦子(at light laboratory)
受賞対象:学会誌特集「高齢者にとっての光」 - 著作賞
- 対象なし
- 調査研究賞
- 照明制御に関する調査研究委員会(本部)
対象の業績:委員会報告「照明制御に関する調査研究」
委員長:滝澤 総
委員:秋田 剛志,大谷 文彦,上村 健,小島 義包,鈴木 直行,角 耀,縄田 和宏,林 和博,藤岡 宏章,岡田 武,谷沢 治之
オブザーバ:丸林 洋大,吉村 祐一,一番ヶ瀬 幸男,森山 泰一,小笠原 雅浩,小泉 一弘,吉久保 光宏,綿貫 將
技術部門
- 最優秀施設賞
-
対象の業績 ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンターの電気設備
業績写真を見る受賞者 (計画・設計・監理) 株式会社日建設計,株式会社NTTファシリティーズ (施工(建築)) 株式会社竹中工務店 (施工(電気)) 株式会社きんでん - 優秀施設賞
-
対象の業績 順天堂医院B棟の電気設備
業績写真を見る受賞者 (基本設計・工事監理) 株式会社日本設計 (実施設計・施工) 清水建設株式会社 (施工) 株式会社関電工 - 優秀施設賞
-
対象の業績 JRゲートタワーの電気設備
業績写真を見る受賞者 (設計・監理) 株式会社日建設計 (設計・施工) 大成建設株式会社 (施工(電気)) 株式会社きんでん - 優秀施設賞
-
対象の業績 KTビルの電気設備
業績写真を見る受賞者 (設計・施工) 鹿島建設株式会社 (施工(電気)) 東光電気工事株式会社 - 優秀施設賞
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対象の業績 武蔵野の森総合スポーツプラザの電気設備
業績写真を見る受賞者 (基本設計・実施設計) 株式会社日本設計 (電気設備施工) 株式会社きんでん,日本リーテック株式会社,野里電気工業株式会社 - 優秀施設賞
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対象の業績 川崎医科大学総合医療センターの電気設備
業績写真を見る受賞者 (設計・施工)株式会社竹中工務店 - 最優秀開発賞
-
対象の業績 『サオリーナ』LEDの特徴を活かした照明計画と大空間に適用可能な自動調光システムの開発
業績写真を見る受賞者 (計画・設計) 株式会社日建設計 (製品開発・施工) パナソニック株式会社 (施工) 清水建設株式会社,東邦電気工業株式会社 - 優秀開発賞
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対象の業績 IoT・AIとBIMを活用したスマートビルマネジメントシステム
業績写真を見る受賞者 (計画・開発) 株式会社大林組 (製作・開発(WellnessBOX)) マルティスープ株式会社,安川情報システム株式会社,セイコーソリューションズ株式会社 (製作・開発) 株式会社オーク情報システム (監修(BIMWill)) 国立大学法人熊本大学 大西研究室 (開発(BIMWill)) 大林新星和不動産株式会社,オーク設備工業株式会社,大林ファシリティーズ株式会社